打ったばかりのコンクリートのガレージで凹みが!?(2014年のお問い合せより)
3年前に自宅の新築と同時に駐車場を自宅横に造りました。車は普通乗用車で出し入れは2回/週です。使用当初より車のタイヤ部分に当たるコンクリート表層部の摩耗が気になっていましたが、摩耗による凹みが1年8ケ月で5mm、最近では15mmにも達しています。原因はなんでしょうか?
コンクリートは土間に直接施工してあるのでしょうか? また、コンクリートの一応配合はわかりますか? 施工業者は?
コンクリート打設日の天候は?
鉄骨基礎は建屋と同じ業者でコンクリート打設は別の業者です。コンクリートはデッキプレートの上に打ちました。コンクリートの配合での呼び強度は18N/mm2です。当日の天候は晴れです。
それから、今回の件で建築士の方と駐車場施工専門業者の方のそれぞれ数人に尋ねてみました。皆さん口を揃えて「コンクリートの水平中間にワイヤーメッシュがないのはあり得ない」との事でした。
ワイヤーメッシュは通常入れますが、今回のすり減り摩耗現象とは関係ありません。コンクリートの呼び強度は18N/mm2は、やはり問題なさそうです。但し、デッキプレートの上にコンクリートを打ったのは、仕上げの際でのブリーディグ水(浮き水)の心配があります。
通常の土間コンクリート(土の上に砂利を敷き締め、その上にコンクリート)の場合はコンクリート中の水は土間の方にも吸収されブリーディグ水(浮き水)はその分少なくなる。コンクリート仕上げをどうしていたか分かりますか?
また、現在はコンクリートの表層は硬いですが?
コンクリートの仕上げ状況は見ていませんので分かりません。コンクリートの表層は白い粉状態となっており、指で触ると付着します。
原因は、わかりました。コンクリートを打設した後の仕上げ(押さえ)のタイミングの悪さと、全体としては仕上げが不十分だったためと思われます。
デッキプレートの上にコンクリートを打設しておりブリーディング水は上部にしか逃げ場はありません。そのため、ブリーディングの量の多さと終了するまでの時間が通常より掛かっていると思います。仕上げ(押さえ)も何回か必要で最終的には、ブリーディング水がなくなった後まで行うわけですが、時間が掛かります(環境温度にもよりますが常温で4~6時間程度)。
コンクリートの表層は白い粉は主に水酸化カルシウムです。ブリーディング水により表層部のコンクリートは水セメント比がかなり大きくなり、脆弱なものになります。このため、仕上げ(押さえ)は非常に大切で、ブリーディングが完全に終了した後も十分に行い、表層部とその下の層のコンクリートをある程度一体化することで脆弱な部分はできなくなります。
結論は、車のタイヤ部分に当たるコンクリート表層部の摩耗は、コンクリートの仕上げの不十分さに起因した脆弱な部分がすり減ったものです。