株式会社ニューテック コンクリート試験所
コンクリート試験所長 井出啓昭
ISO/IEC17025について
ISO9000シリーズの品質管理・保証規格は品質システムのみが審査の対象で試験所の試験結果の信頼性についてまでは対象となってません。このため、最近では試験・校正機関に対象を絞って、試験結果の信頼性の審査に踏み込んで行うISO/IEC17025と呼ばれる規格を用いた試験所認定が注目を集めてます。
ISO9000シリーズとISO/IEC17025の違いについて
- 品質マネジメントシステムに限定しての一般要求事項を記述しているISO9000シリーズとは異なり、ISO/IEC17025は試験・校正の実施のための技術管理事項についても要求事項が標準化されて記述されている。
- SO9000シリーズの場合、製品には保証ロゴを付けることを認められないが、ISO/IEC17025の場合は、認定された範囲では、試験結果の報告書に認定のロゴマークを付けることができる。
- 品質システムの審査は書類審査のみとなるが、ISO/IEC17025の場合は、加えて技術管理事項の審査も必要とされるので、この部分については、書類審査と認定試験の実施審査が行われる。
認定範囲について
- JIS A 1106 コンクリートの曲げ強度試験方法
- JIS A 1107 コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法
(4を除く)試験荷重≦3000kN - JIS A 1108 コンクリートの圧縮強度試験方法(附属書Aを除く)試験荷重≦3000kN
- JIS A 1149 コンクリートの静弾性係数試験方法
- JIS A 1152 コンクリートの中性化深さの測定方法((5.1.c),7.2を除く)
- JIS A 1129-2 モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法 コンタクトゲージ方法
その他
- 硬化コンクリート中の塩化物量試験
- 引張試験
- フレッシュコンクリート(モルタル)の膨張・沈降量試験
- フレッシュコンクリートのプロクター貫入抵抗試験
- 鉄筋の引張り試験
- 各種分析試験の準備中
初期性状試験
硬化コンクリート中の塩化物試験
養生装置
硬化コンクリート(モルタル)試験
圧縮強度試験・鉄筋引張り試験・各種治具を用いたせん断試験等
分析試験
モルタル実験室
高強度コンクリート実験
八王子屋外実験ヤード
CFTコンクリート実験
CFTコンクリート品質管理システム
モックアップ・試験体製作
透気性試験
タイル下地材耐久性試験
単位水量推定試験
コンクリートの単位水量を管理する方法は数多く提案されていますが、測定方法や測定精度などが異なり目的に応じて試験方法を使い分ける必要があります。当社では目的に応じて対応します。
高周波加熱乾燥法
当社では、オリジナルのウェットスクリーニング装置を使用することにより、試験によるばらつきを抑え、また数多くの実験、現場測定結果より算出した補正値を用い、精度の高い測定を実施することが可能です。
エアメータ法(簡易法・高精密法)
製造されたコンクリートが異なる密度の物質で構成され、その内一つの材料が配合と異なった質量あるいは容積である場合には、単位容積質量にその結果が現れます。この方法は計画した配合通りであるか否かを単位容積質量と空気量の関係から求めるものです。 他の手法と違いコンクリートから直接単位水量を測定することが可能で、比較的短時間に測定結果が得られることが特徴です。 当社では通常のエアメータで測定する簡易法、高精密エアメータで測定する高精密法の対応が可能です。
その他の試験等
免震架台の充填コンクリート
調合選定試験~充填後の空隙率の確認~充填施工の管理まで行います
試験練り用ミキサの負荷測定(モニタリング)
(高強度コンクリート等に於ける適性練り時間の確認、使用材料による練混ぜ効率の確認等に使用します)
防水材等の透水試験
ケイ酸質系防水材等の性能評価としての透水試験の例
実施試験項目((株)ニューテックコンクリート試験所/2023.04)
コンクリート・モルタル(受託実験等)
種 類 | 試 験 方 法 | 寸 法 | ISO/IEC 17025対応 |
備 考 |
---|---|---|---|---|
コンクリート室内試験練り | JIS A 1138 | 5バッチ迄 | ||
スランプ(スランプフロー)試験 | JIS A 1101、JIS A 1150 | コンクリート試験練り含む | ||
空気量試験 | JIS A 1128 | コンクリート試験練り含む | ||
供試体採取 | JIS A 1132 | コンクリート試験練り含む | 6本迄 | |
傾斜フロー試験 | ニューテック方式 | |||
コンクリートのブリーディング試験 | JIS A 1123 | |||
コンクリートの凝結時間試験 | JIS A 1147 | |||
沈降量試験 | 新都市ハウジング協会 | |||
コンクリートの圧縮強度試験 | JIS A 1108 | φ100~150mm | 〇 | 研磨別途 |
コンクリートコアの圧縮強度 | JIS A 1107 | φ50~150mm | 〇 | カット及び研磨別途 |
グラウト・モルタルの圧縮強度 | JSCE-G 505 | φ50mm | 研磨別途 | |
コンクリートの曲げ強度試験 | JIS A 1106 | 100mm×100mm×400mm 150mm×150mm×530mm | 〇 | |
コンクリートの曲げタフネス試験 | JSCE-G 552 | 100mm×100mm×400mm | ||
コンクリートの割裂引張強度試験 | JIS A 1113 | φ100mm | ||
コンクリートの静弾性係数試験 | JIS A 1149 | φ100mm | 〇 | コンプレッソメータ使用 |
〃 | 〃 | φ100mm以外 | ひずみゲージ使用 | |
コンクリートの中性化深さの測定 | JIS A 1152 | 〇 | ||
モルタル及びコンクリートの長さ変化測定(コンタクトゲージ) | JIS A 1129-2 | 100mm×100mm×400mm | 〇 | 材齢182日まで |
自己収縮試験 | ||||
コンクリートの凍結融解試験(動弾性係数試験含む) | JIS A 1148 | 100mm×100mm×400mm | A法、300サイクルまで | |
コンクリートの促進中性化試験 | JIS A 1153 | 100mm×100mm×400mm | 材齢182日まで | |
硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオンの試験 | JIS A 1154(電位差滴定法) | コア試験体 | ||
〃 | JIS A 1154(電位差滴定法) | ドリル粉 | ||
コンクリートコアのアルカリ反応促進試験 | カナダ法 | |||
コンクリートの透気性試験 | トレント法 | |||
供試体カット | コンクリートカッターによる | φ50~150mm | ||
研磨又はキャッピング | JIS A 1132 | φ50~150mm |
鉄筋
種 類 | 試 験 方 法 | 寸 法 | 単 位 | 備 考 |
---|---|---|---|---|
鉄筋の引張試験 | JIS Z 2241 降伏点・引張り強さ、破断位置測定 | D25以下 | 1セット(5本) | 試験片の長さは600mm程度、長い場合の端部切断は別途 |
D32以下 | ||||
D38以下 | ||||
鉄筋の曲げ試験 | JIS Z 2248 押曲げ法 | D25以下 | 1セット(5本) | 試験片の長さは600mm程度、長い場合の端部切断は別途 |
D32以下 | ||||
D38以下 | ||||
鉄筋 伸び測定 | JIS Z 2241 | 径に制限なし | 1本 | JIS G 3112鉄筋コンクリート用 棒鋼 |
鉄筋 単位質量 | JIS G 3112 、JIS G 3117 | 1本 |
分析
種 類 | 試 験 方 法 | 寸 法 | 単 位 | 備 考 |
---|---|---|---|---|
塩化物イオン量 | JIS A 6204 | 1件 | イオンクロマトグラフ | |
コンクリートからの抽出物 | イオンがある程度特定出来ている場合 | 1件 | イオンクロマトグラフ | |
ホルムアルデヒド | 1件 | イオンクロマトグラフ | ||
骨材のアルカリシリカ反応性試験(化学法) | JIS A 1145 | 1試料 | 原子吸光分光光度計 | |
骨材のアルカリシリカ反応性試験(モルタルバー法) | JIS A 1146 | 1試料 | 材齢182日 |
- *試験費用は要相談、別途で諸経費が10%
- *その他、八王子実験ヤード、モックアップ等その都度見積もりいたします。
ISO/IEC 17025認定 試験申込書(試験依頼書)のダウンロード
申込書の種類 | Excel | |
---|---|---|
圧縮強度試験依頼書 | ||
曲げ強度試験依頼書 | ||
静弾性係数試験依頼書 | ||
長さ変化試験依頼書 | ||
コア圧縮強度試験依頼書 | ||
コンクリートの中性化深さ測定依頼書 |
研修会・実習・海外・技術者派遣
海外コンクリート技術者派遣
国内、海外問わず現場品質管理要員を派遣します。
近年、海外プロジェクト工事が増えております。海外の場合、日本と違い一般的にはコンクリートの製造、品質管理等が充分ではなく、様々な不具合が発生し、その対応や補修にかなりの時間とお金が費やされているのが現状だと思われます。
その不具合の内容から、ほとんどがコンクリートに起因することが判っております。
弊社では、コンクリート工事を不具合無く進めるために、さまざまな内容で皆様方の海外プロジェクトをお手伝いさせていただくことができます、
コンサルティングの内容
- ・骨材事情、コンクリート事情調査および選定
- ・現地骨材、セメントによる最適な配合計画
- ・コンクリートプラント設備の要点検査および管理の指導
- ・検査設備の検査および管理の指導
- ・材料の受入から製造までのコンクリート品質管理全般
- ・コンクリートの打設指導
- ・クラック、漏水などの不具合の診断・調査
- ・補修方法の提案
- ・防水、止水、クラックなどの補修
海外での実績
自社開発製品
当社では、一般フレッシュコンクリート(モルタル)用各種試験器、一般硬化コンクリート(モルタル)用試験器、及び、特殊試験器等、取り扱っています。
また、当社で考案しましたオリジナル試験器もあります。ここでは、自社開発製品をご紹介します。
傾斜フロー試験機
従来コンクリートのワーカビリティーの評価方法としてスランプ試験の他、特に高流動コンクリート等を対象としては、各種の流動性・分離抵抗性・充填性試験方法が用いられています。
この傾斜フロー試験器は、スランプでは18cm以上または、スランプフローの場合で40cmから55cmの普通コンクリート及び高流度コンクリートのワーカビリティーの評価方法として開発したものです。
テーブルバイブレータ
(コンクリートのウエットスクリーニング用)
特に、単位水量推定試験でコンクリートをウエットスクリーニングする場合に用いるものです。フレッシュコンクリートをウエットスクリーニングして、そのモルタルでコンクリートの単位水量を推定する場合、5mmに留まる骨材に付着しているモルタルの水分と5mm以下のモルタルの水分には違いが生じ、5mmに留まる骨材に付着しているモルタルの水分のほうが多くなります。
その違いを最終的には補正することが必要となり、その係数を求める際に、安定したモルタルの品質が得られるよう、開発したものです。また、従来、専用の装置はないため、殆どの場合、人手によって行われていたもので、作業の時間短縮にもなります。